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【鬼滅の刃】あなたに逢いに 

第15章 岩柱


「ご飯の準備もできてますから、いつでもどうぞ」

お風呂上がりの実弥さんに声をかける。

「あぁ」

そう返事をもらうと、ご飯やお味噌汁を机に並べる。だいたい並べ終わった所に実弥さんがやってくる。
最近はこのパターンだ。

「いただきます」

お互い手を合わせて言い、食べ始める。お腹が空いていたのだろう。黙々と食べ進める実弥さんを眺めながら、自分も箸を進めていく。
昨日のこともあり、改めてこんな何気ない時間が貴重なんだと思える。

ある程度食べ終わった所で、実弥さんに声をかけた。

「実弥さん、今日もですが、出かけてきますね。お昼には戻ってこれるのか分からないので、準備しときます」

「今日はどこに行くんだァ」

やや眉間に皺を寄せ、怪訝そうな顔だ。

「今日は岩柱の悲鳴嶼さんのところに、西瓜を持って行ってきます」

「わかった。そういや、何で悲鳴嶼さんとこなんだァ?」

「何ででしょう?」

「いや、こっちが聞いてる!」

質問に質問で返してしまった。実弥さんは呆れ顔だ。

「すみません。えっと、柱の皆さんで一番年上というか、長い方はどなたか聞いたら、悲鳴嶼さんと教えてくれたので」

「だから、何でだァ?」

「え?んー、私、今は実弥さんの所で居候してもらってますけど、今後何かあれば柱の皆さんにお世話になる可能性もありますよね?
お館さまの指示であれば、誰も文句とかはないでしょうけど。取りあえずご挨拶しておこうかと思いまして。全員という訳にはいきませんから、取りあえず年長の方と思いまして。
手土産の西瓜も手に入ったことですし」

「……」

実弥さんはまた眉間に皺を寄せている。
何か考えているのだろう。少し待つが、気にせず話を続ける。

「実弥さん。悲鳴嶼さんって、怖い方ですか?私、猫好きで、尺八吹いてることしか知らなくて」

「何だ、それは。どうせ甘露寺だろ」

呆れ顔で言われる。よくお分かりだ。

「そうです。蜜璃ちゃん情報です」

実弥さんに向かってニッコリと笑う。

「まぁ、悲鳴嶼さんは、強い人だよ。あと普段はよく泣いてるなァ。目は見えねえが、よく回りのことは分かってるし」

「目が見えないんですね。それなのに鬼と闘ってるなんて、本当にすごい方ですね」

改めて聞くと、本当すごい人だ。

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