第14章 お出かけの続きを
「おいッ!何なんだァ、その西瓜はァ!少しは考えて買え!何なんだよッ!甘露寺もお前も、バカなのかァッ!!」
「いや、これ貰った物なんですよ。えっ?何で実弥さん?えっ?蜜璃ちゃんは??」
聞かれたことに答えたが、この状況に驚きを隠せない。言っている事が自分でもおかしくなってるのが分かる。
だけど、何で実弥さんが来たのか。全く分からない。
「甘露寺が屋敷に来て、お前を一人で置いてきたから迎えに行けと言われたんだよォ!返事も聞かねぇで、さっさと出て行きやがってェ!だいたい何でそんなに西瓜を貰うんだァ!普通に帰って来れねぇのかッ!お前らはァッッ!!」
実弥さんは怒りをぶつけるかのように、息継ぎもせず、一息で言いきった。
「ごめんなさい…」
何も言えず、ただ謝罪の言葉を紡ぐ。
声は小さく、顔をあげることができない。プツリと糸が切れてしまったようで、目から涙が溢れる。
怒られたからではない。
実弥さんの顔を見て安心した。
それに、今日はたぶん、精神的に不安定だからだ。
「本当に分かってんのかッ?下ばっか向いてんじゃねぇ。何でこんな状態になったのか、ちゃんと説明しろッ。甘露寺はこっちの質問には何も答えないで、出ていくし。俺は全く状況が掴めねぇんだよッ!」
「…それなのに、来てくれたんですね」
そんな状況なのに、実弥さんが来てくれたことに嬉しくて顔をあげる。
だが、実弥さんは私の顔を見て驚いてしまったようだ。
「…ッ!!おいッ!!」
「あっ!ごめんなさい。怒られたから泣いてる訳じゃないですよ。何か今日は色々考えることがあって。西瓜のこともちゃんと説明しますし…あと…」
実弥さんに背を向け、涙を拭き取りながら話す。
「あと、何だァ?」
「ちょっとだけ、話しを聞いて貰えますか?いや、聞き流して貰っていいんです。何だかちょっと、今日は、頭で考えるだけじゃ整理できなくて…話したいけど、話せる人がいないから…」
そう言えば、また涙が出そうになってきた。