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【鬼滅の刃】あなたに逢いに 

第14章 お出かけの続きを


少しずつ歩みを進めていく。
一歩一歩、前に進んでいく度に、ズシンズシンと両腕と肩に重さがのし掛かる。

「ふうッ」

少し進んだ所で、一度休憩する。ゆっくりと両手の西瓜を置けば、両手に羽が生えたかのように軽くなる。
蜜璃ちゃんはこの西瓜を5個、平気で持てる筋力があるってことだ。本当にすごいと実感する。

「さぁ、行こう」

得意の独り言は、自分を鼓舞するのに役に立つ。
進んでは休み、少し進んでは休みを繰り返して、少しずつだが、前に進んでいく。この速さだとお屋敷に帰りつくのはいつになるのだろうと思う。
少しずつ進んでいれば、蜜璃ちゃんが帰ってきてくれるだろう。

そう思い、一歩一歩足を前に出す。
気分転換に周りの風景も見ながら進む。行く時は蜜璃ちゃんと話していて気づかなかったが、町から少し外れると、ガラリと風景が変わる。現代に住んでいた私にとって、ザ田舎!のイメージそのままだ。田んぼがあって、舗装されてない道があって。
炭治郎が善逸が女の子に求婚していた時に出会った風景に似ている。善逸は女の子にすがっていたなぁと思いだし、ふふふと笑いが込み上げる。
いつかかまぼこ隊にも会いたいなぁ。そう思いながら、前を見据え歩みを進めていく。

どれくらい歩いただろうか。
休み休みだから、それほど長い距離は歩いていないだろう。そして私は何度目かの休憩を取る。今度は疲れたから、ではない。何故か目の前に分かれ道が出現したのだ。
間違いなく蜜璃ちゃんと来た時は、ずっと一本道だった。なのに、ここで分かれ道だ。アルファベットのYのような形だからだろう。行くときには気づいていなかったのだろう。
それにしても、これはどっちに行くべきなのか、全く分からない。二つの道の先を見ても、何も手がかりになりそうなものはない。どちらも田んぼか林が見えるだけだ。

「どうしよう。これ以上進めない」

西瓜がなければ、進んでしまう所だが、もし違ったときにそこから西瓜を抱えて戻ってまた進むという選択肢を選ぶ勇気はなかった。それに迷子になって、探して貰うのもどうかと思う。サムくらいの小さな子どもならまだしも、一応私は大人だ。方向音痴だし、考えずに突っ走るからこそ、迷子になるのが、私の悪い癖だ。


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