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【鬼滅の刃】あなたに逢いに 

第14章 お出かけの続きを


サム達と別れ、八百屋のおじさんとも話し終わり、やっと本来の目的である洋食屋の前に立っている。

洋食屋は、サム達と別れた場所から少し戻って、脇道に入った所にあった。この町は八百屋や花田屋があった大通りと呼ばれるような場所から、いくつもの脇道があり、その先にもお店がたくさんあるようだ。
洋食屋さんは、この時代で言えばハイカラな建物といっていいだろう。洋風の建物で、回りの純和風の建物とは、全く雰囲気が違う。真新しい建物だろうし、この時代で言えば最先端なのだろうけど、令和から来た私は少し懐かしさを感じる。

「すごいなぁ」

つい、声が漏れる。

「そうでしょう!お店の中もね、とってもかわいいのよ~。どれも美味しいし。さぁ行きましょ~ノブちゃん」

「うん!」

一人だとちょっと入りにくいけど、蜜璃ちゃんと一緒なら大丈夫だ。

ドアを開ければ、カランカランとベルが鳴る。どこか懐かしい喫茶店の記憶が甦る。

「いらっしゃいませ!二名様ですか?こちらへどうぞ!」

現代で言えばメイド服のようだ。紺色のワンピースに白いエプロン。フリフリとしたやつがエプロンについている。
それにしても……うん、若い娘しか着れないな。
目の保養、目の保養。
そんな事を考えながら、案内された席に座る。お昼前なので、まだお客はまばらだ。

「お品書きはこちらです。お決まりになりましたら、またお呼びくださいね」

笑顔の店員の女の子は、厨房に戻って行った。他の店員は見当たらないから、あの娘が今の時間は一人で対応しているのかもしれない。

「ノブちゃん、何にする?私のおすすめはね、オムレツライスかしら。でも、ポークカツレツも美味しいのよ。ライスカレーも美味しいし、迷うわぁ」

あまり聞きなれないが、オムレツライスがオムライスで、ライスカレーがカレーライスだろう。ポークカツレツは、トンカツのことだろうか。現代では当たり前に食べている物だが、この時代では最先端の食べ物になるのだろう。久しぶりだから、どれも食べたいが、全部は無理だし。
悩みながら蜜璃ちゃんを見れば、まだブツブツとメニュー表を見ながら悩んでいた。


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