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【鬼滅の刃】あなたに逢いに 

第12章 お出かけ


空が白みはじめ、目が覚める。もうこれにも慣れてきた。以前は朝が苦手で、全然起きれなかったのに、こっちへ来てからは、ビックリする位、すっと起きれるのだ。

夜になれば寝て、朝になれば起きる。
その通りの生活だ。夜は本当に暗くなる。だからなにかする事も、ましてや出歩く事はできない。もう寝るしかないのだ。
朝が早い分、夜も眠たくなるのが早い。
無駄な刺激もないから、すぐに寝れる。そして、遮るものもないから、明るくなればすぐに分かるのだ。

ぐっと伸びをしてから起きる。
身支度を整えれば、いつもの日常が始まるのだ。何の変哲もない日常が。
ただ、私がここの人間ではない事を除いては…だ。

色々と考えながら動いていれば、玄関の開く音が聞こえた。

「おかえりなさい」

玄関に急いで行き、声をかける。

「あぁただいま」

最近やっと『ただいま』と言ってくれるようになった。恥ずかしいのか、あぁとか無言が多かったけど、最近は慣れたのか、それか、諦めたのだろう。
『ただいま』と言われると、今日も無事に帰ってきてくれたんだと、実感が湧く。

「お風呂どうぞ。ご飯も準備しとくので、お風呂上がったら一緒に食べましょう」

「あぁ」

そう返事をすると、実弥さんはお風呂へ行った。私は朝ごはんの準備だ。
準備していれば、もう廊下を歩く音が聞こえる。台所の前を通りすぎる実弥さんに声をかける。

「ご飯の準備できてますから~」

「あぁ」

実弥さんは返事をしながら、部屋に戻っていく。
椅子に座って待っていると、すぐに実弥さんも台所まで来て椅子に座る。

「いただきます」

手を合わせ、言い終われば、すぐに食べ始める。実弥さんはお腹が空いてたようで、黙々と食べ進める。
何だかんだで、実弥さんは文句も好き嫌いも言わずに食べてくれる。残したこともない。
作った者にとって、それはとても嬉しい事だ!自分が食べることを忘れて、しばし実弥さんの食べる姿をぼんやりと眺め続ける。

「ん?どうしたァ?」

「あっ、すみません。あまりにも黙々と食べてくれるので、嬉しいなぁと思って」

実弥さんの声で、見続けていたことに気づく。


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