第10章 秘密 *
今日のこともそうだ。後悔はない。
ただ、こんな私が、実弥さんを振り回していいだろうかと、思う。
ここに来た時点でもう手遅れなのだろうけど、ただ過ごすこともできたはず。でも何とか関わろうとしてしまうのは、私が実弥さんのことが好きなんだろうなぁと思う。
さぁ、関わってしまったのだから、仕方ない。今から私ができること…今度は玄弥くんとのことだ。
今の実弥さんとの関係が壊れてしまうかもしれない。ここにいられなくなるかもしれない。
でも、二人には、今、最終決戦の前に、修復していて欲しいのだ。
お館さまも気にしていた。
当の本人も気にしてるんだ。どうしていいか、分からないだけだ。粂野さんやカナエさんがいれば良かったのだろうけど、もう二人はいない。
だからこそ、知ってる私ががんばらなきゃいけないんだ。
このために、ここに来たのかもしれない。
さぁ、おばちゃんはがんばるぞ、お節介なんだぞ。
煉獄さんのことは気になるけど、これはもう、時を待つしかない。
色々と考えていると、外は段々と白みはじめている。
朝だ。
耳を澄ませば、規則的な呼吸が隣から聞こえる。深い眠りについてくれてればいいけど。
そう思うと、いつも通り、布団から起き上がるのだった。