第10章 秘密 *
【実弥side】
「実弥さん、大丈夫ですか?苦しそうですけど」
集中しすぎて、ノブが起きた事に、声をかけられるまで気付かなかった。突然の声に驚き、手が机にぶつかる。
「…何でもねェ。大丈夫だァ。さっさと寝ろッ!」
「いや、そんな訳にはいきません。また怪我とかしてるんじゃないですか」
お節介な奴だ。だが、今日は本当に放っておいてほしい。苛立ちから、捨てるように言う。
「怪我はしてねェ。ほっとけッ!」
そう言った筈だが、あいつは何を勘違いしたのか。俺の想像を越えた行動を取りやがった。
「ほっとける訳ないでしょ。苦しそうな声が聞こえるんですから。はい。失礼しますよ」
そう言うと、襖を開けてズカズカと部屋に入ってきたんだ。そう、許可もなく勝手にだァ。
「…おいッ!コラッ!!何勝手にッ……」
その言葉を言い終わらないうちに、ノブは俺の所まで進んでくる。
ヤバい。そう思い、下半身を隠し、背を向ける。だが、一足遅かったようだ。
「…あッ!」
見られたッ…。
そう思うとさすがに恥ずかしさが込み上げる。
「…さっさと出ていけッッ!!」
今までで一番の大声で怒鳴る。
それなのに、ノブは出て行きもせず、立ち尽くしたまま、声をかけてくる。
「…実弥さん」
「まだいるのかッ!さっさと出ていけと言っただろうッ!」
怒りが爆発寸前だ。何で出ていかないッ!背を向けたまま、感情のまま怒鳴り散らす。
すると、とんでもない行動に出やがった。
「実弥さんッ!」
「うるさいッ!さっさと…おいッ!」
再度名前を呼ばれ、苛つき怒鳴っていたが、突然声の主が目の前に座り込んできた。
さすがの俺も驚き、言葉が続かない。
すると、さっきまで怒鳴られていたのを忘れたかのような満面の笑みで話しかけられる。
「実弥さん、ちょっとお手伝いしたげます」
言い終わると、少しニヤリしていた。
意味が全く理解できなかった。
だが、次の瞬間、浴衣をめくられ、下半身を露出させられる。そして自然に大きくなっているモノを両手で包み込み、ゆっくりと上下させる。
「おいッ!やめろッ!」
何とか声を出し、肩に手をかけ、やめさせよう力を込めようとすると、すかさずノブは言う。