第10章 秘密 *
【実弥side】
今日も、いつも通り1日が過ぎる。
そして今日も雑魚鬼だった。無惨どころか、上弦の鬼にすら遭遇しない。
俺は運が悪いらしい。
今日は夜明けまでまだ時間がある。
ちょうど良かったかもしれない。
昨日は眠かったが、だいたいそんな日の翌日は、どうしようもない状態になる。
男の生理現象だ。一度抜かないといけない。
ヤりたいという気持ちはないが、生理的なものなんだろう。月に一度位はどうしようもなくなるのだ。
風呂に入り、部屋に戻る。机の上にあるおはぎと手紙に目を向ける。よくもまぁ毎日書くことがあるもんだ、と思いながら、座り込み、それを手に取る。
最初の頃に比べれば、随分と見れる字にはなったが、まだまだだなァ。
昨日の様子を心配しているようだ。まぁ、ノブが来てからは初めてだったかもしれない。
お盆を寄せると、カタン音が鳴る。おはぎを取り食べる。これも日常になってしまった。ノブが来てから、もう二月も経つ。早いもんだァ。
あいつがいる生活にも慣れた。ずっと以前からいるような感覚に陥る時もある位だ。
二つ目のおはぎに手を延ばす。腹が減ってたようだ。ペロリと二つ食べ終わった。お茶を飲み、湯呑みを下ろすときに皿にぶつけ、カチャンという音が静かな部屋に響く。
一息つき、おもむろに動き始める。
…いつも通りだ。
浴衣をめくり、下半身を露出させる。何もしていないのに、既にいつもより大きくなっている。
左手で触り、ゆっくりと上下させる。何度か上下させるだけで、すぐに硬くなり勃ち上がる。
ゆっくりと上下させていくと、段々と気持ちがよくなり、声が漏れる。
「…うッ…」
そのまま上下に擦る。
「…ふぅ………ウッ………」
体制を変える時に手が机に当たり、カチャンと音がした。
ノブが起きるまでまだ時間があるからと、音がしても気にならなかった。
「……ふぅ…………くッ………………ハァッ………」
ひたすら無心で上下に擦り続ける。もうこれでもかと、ガチガチに硬くなり、天井に突き刺さろうかという位反り上がっている。先端部分には既に我慢汁もでているが、吐き出すにはまだのようだ。
「………ふぅ……………ハァッ………」
部屋には、手で擦る音と自分の声だけだった。
…そのはずが、突然、部屋の前から声がした。