第10章 秘密 *
繰り返し深く上下させる。
「……クッ……ハァッ………フゥッ………」
初めは控えめで小さかった実弥さんの声も、そんな余裕がなくなってきたのか、大きくなっている。
少しだけ先端部分をチロチロと舐めながら、実弥さんの顔を見る。
目を閉じ、眉間に皺が寄っていて、何とか耐えている表情だ。苦悶しているのか。
そんな実弥さんにしているのが自分だと思うと、更に気持ちは昂る。
先端部分を咥え、少しずつ上下させ、段々と深く咥え込んでいく。
そして、少しずつ動きを早める。
「…クッ……ハァッ……ハァッ………クッ……ウッ……」
段々と実弥さんの息が早くなり、それに合わせて声も増える。わざと、くちゅくちゅと音がするように、上下させると、二つの音が重なって、何とも言えない艶かしさが漂う。
まだこのまましていたい気持ちと、早く出してあげたい気持ちとが、交差する。
「……ハァッハァッ……クッ……」
そろそろ実弥さんの方が限界かな。ガチガチに硬くなって今にも破裂しそうに勃ちあがっている。
徐々に早くしていくと、これでもかと硬くなる。
「…クッ………アァッ…出るッ!」
そう言うと同時に、口の中に生暖かいものがピュッピュッと吐き出される。チラリと実弥さんの顔を見ると目を閉じてはいるが、先ほどまでの何かに耐えるような表情ではない。少しだけ口を開け、はぁっと息を吐き出す仕草は、とても厭らしくて艶らしい。
すぐに視線を戻し、最後にゆっくりと軽く上下させ、口を離す。
そのまま顔をあげ、実弥さんににっこり微笑むと、立ち上がる。急いで部屋を出て、台所の手洗い場に吐き出す。白っぽい粘りけのある液体は、水を流すと排水溝へと流れていく。そのまま軽く口を濯ぎ、実弥さんの部屋に戻る。
すでに着物を整えていて座っている実弥さんは普段通りだった。
「次はちゃんと飲み込みませんでしたよ」
そう笑いがながら、実弥さんの前に座る。そして
「実弥さん、ごめんなさい。実弥さんの気持ちも考えずに、勝手な行動してしまいました。本当にすみませんでした」
両手を前に付き、頭を深くさげる。いわゆる土下座だ。そこから顔をあげ、笑いながら言う。
「でも、後悔はしてませんから」
少しだけ静かな時が流れると、実弥さんが口を開く。