第10章 秘密 *
そろそろかな
聞いたことのない実弥さんの余裕のない声は、私の中の加虐心を膨らませる。
「…………おいッ………やめろッ……」
そう言われて止める訳がない。黙々と上下を繰り返す。
実弥さんの手が私の肩にかかり、力が込められる。
離してなるものかと、体に力を入れ抵抗する。
「…………口を外せッ……おいッ!出るぞッ……クソッ…」
その言葉と同時に、口の中に実弥さんのモノから生暖かいものが吐き出される。溜まっていたのだろう。かなり苦くて臭い。
少しだけ柔らかくなったモノからゆっくりと口を離す。そして、ゴクリと飲み込む。
「…おいッ!ノブッ!」
「うぇー。やっぱり苦手です、飲み込むの」
口を尖らせながら言うと、実弥さんが焦ったように言う。
「馬鹿かッ!何で離さなかったんだ?それに、何で飲み込んだんだッ!汚いだろッ!」
「汚いものではないですよ。ただ若干苦くて臭いますけどね」
笑いながら答え、続ける。
「離さなかったのは、私が離したくなかったからです。飲み込んだのは、実弥さんのを一度飲んでみたかったからです。だから、実弥さんは全く気にしなくていいんですよ。あ!だけど、やっぱり好きな味ではないので、次からは飲みません」
「……ハァッ。分かったから、次は飲むなよ…」
実弥さんの口から次との言葉が出て、嬉しくなる。そして、私としては一番気になっていることを尋ねる。
「それより、実弥さん。気持ち良かったですか」
「………」
視線を反らし黙り込む。いつもの実弥さんと違って、可愛らしい。あれだけ大きくなって、出るということは、気持ち良かったのだろうとは思う。でも、生理的なものでもある。
私としては実弥さんの口から聞きたいのだ。
もしかしたら、嫌だったのかもしれない。無理やり出させたようなものだ。
沈黙が段々と不安にさせる。
「……嫌でしたか」
先ほどまでとは違い、自分でもビックリするような弱々しい声だった。
嫌だったのなら、謝らなければ…
もしこれで嫌われてしまったら…どうしよう…実弥さんの顔が見れず、うつ向いてしまう。
このままだと、涙まででてしまうかもしれない。