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【鬼滅の刃】あなたに逢いに 

第10章 秘密 *


お館さまのお屋敷から帰ってからは、いつも通りだ。

実弥さんは時間になると、鬼狩りに出ていった。私も家事を済ませ、布団に入る。
さすがに後藤さんの背中で二度も寝てしまっていたので、いつもより寝付きは悪かった。

それでもいつの間にか寝ていたのだろう。
玄関扉の開く音で目が覚める。
実弥さんが帰ってきたのだろう。今日はまだ暗いから、早く終わったのだろう。

そのまま部屋に戻り、ごそごそと音がする。
着替えかな?
そんなことを考えていると、実弥さんは動き出す。部屋から出て、私の部屋の前を通り過ぎていく。
お風呂だな。
起きて準備してあげれば良かったが、まだ真っ暗だ。それに起きるタイミングを逸した。

仕方ない。
そう思い目を閉じる。だが、一度目が覚めてしまうと、眠れない。昼寝なんてするもんじゃあない。
布団の中でゴロゴロとして過ごす。

少しだけうつらうつらし始めた頃、廊下を歩く音が聞こえ、目が覚める。
上がったようだ。私の部屋の前を通りすぎ、実弥さんの部屋に戻ったようだ。襖が閉まる音が聞こえた。

急に音が静かになる。座ったのかな、と思うと、カタンと聞こえた。
多分、お盆を寄せたのだろう。お盆におはぎを置いていた。食べてくれているのだろう。

ここで、ふと思う。
いや、盗み聞きはいかん、と。
でも、静かすぎる。嫌でも耳に入ってしまう。昼寝のせいで目も覚めてしまったから、余計に聞いてしまっているのだ。
まぁ、実弥さんも疲れてるだろうから、もう寝るだろう。
音がなくなれば、私もいつの間にか寝てしまうだろう。

そう思い、布団の中で寝返りをうつ。

カチャンと皿の乾いた音が響く。食べ終わったのだろうか。お茶を飲んでいるのかもしれない。

ふうっと、大きくため息をついたのが分かった。
そういえば昨日はかなり疲れている様子だった。今日もそうなのだろうか。
大きなため息に心配が募る。

その後はほとんど音がなくなった。
休憩なのか、それとも寝てしまったのか、音がなくなってしまえば、想像も全くできない。
寝てしまったのだろうと判断し、私も目を閉じる。

少し寝てから起きないと、明日は昼寝できないし、等と思いながら、布団の中でゴロゴロと過ごす。


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