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【鬼滅の刃】あなたに逢いに 

第9章 再びお館さまの元へ


「では、隠の方も来られたようですので、これで失礼させていただきます。本日はお招きありがとうございました。お二人とたくさんお話しできて、とても楽しかったです」

「私もだよ、ノブ。またいつでもおいで。今度は実弥と一緒でもいいよ」

「一応実弥さんに伝えますが、一緒に来たら間違いなく怒られますからね。遠慮したいところです」

「ノブ、本当に今日はごめんなさいね。またいつでも来てちょうだい」

「あまねさま、気にしないでくださいって言いましたよね。子どもの病気は仕方ないんです!私にとっては、遊びに来る口実ができましたよ。それではこれで失礼させていただきます、耀哉さま、あまねさま」

「ああ、気をつけて帰るんだよ。実弥によろしく」

「はい!」

あまねさまと部屋を出て玄関まで行くと、後藤さんが外で待っていてくれていた。

「あ!後藤さん!すみません。帰りもよろしくお願いします。では、あまねさま、失礼させていただきます。お子さん早くよくなるといいですね」

「ええ。ありがとう。またね、ノブ」

小さく会釈をして、後藤さんの所へ駆け寄る。

「お待たせしてすみません」

「いや、仕事ですから。では行きましょう」

もう一度振り返り、あまねさまに深く一礼し、振り向くと膝をついた後藤さんがいた。

「後藤さん、ごめんなさい。おろして頂いた所位まで歩いてもいいですか?ちょっと恥ずかしいです」

さすがにここから背負われるのは、誰も気にはしないだろうが、私が恥ずかしい。

「そうですか。では、行きましょう」

後藤さんが立ち上がり歩き始める。スピードは私にあわせてくれている。

「はあーやっぱりここって、すごい広いし、静かだし、良いところですね」

「……そうですね」

返事に間が空く。変なことでも言っただろうか?

そんなことを考えながら歩いていると、ある程度行った所で後藤さんから声をかけられる。

「この辺りでよろしいでしょうか、ノブ様」

こちらを振り向き、後藤さんはそう問いかける。
あまりわがままを言って困らせる訳にもいかない。

「はい。よろしくお願いします」

そう言うと、後藤さんは背を向け、膝をつく。
なんとも自分から背負われにいくのは恥ずかしいのだが、そこは我慢だ。

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