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【鬼滅の刃】あなたに逢いに 

第3章 お屋敷


「ところで、お名前教えて頂けませんか」

今まで実弥さんと言わなかったのを誉めてほしい。
名前を口走ってしまった時には、容赦ない尋問が私をまっていただろう。

「不死川だァ」

「下のお名前は何と言うんですか?」

「はァ?実弥だァ」

うー!聞けたぁ!!
あぁ、ニヤニヤがとまらない。

「では実弥さん。改めまして、よろしくお願いしますッ!」

「わざわざ下の名前で呼ばなくてもいいだろォ」

変な目で見られていることも気付かず、まだニヤニヤしていた。

「とりあえず歩けるかァ?」

と聞かれ、靴を脱ぎ、立ってみる。少しふらついたが、大丈夫そうだ。

実弥さんが靴を不思議そうに見ているが、気付かなかったふりをした。
話をすれば、また説明することになるはずだ。さっきと同じことの繰り返しになる。
さすがに疲れてきた。
今日は大晦日で、朝から休みなく働き続けた。そしてその最後にこれだ。頭までフル稼働した。
早く横になりたい。

「何とか大丈夫そうです」

と伝えれば、実弥さんも上がり、歩きだす。

「こっちだァ。ついてこい」

そう言われ、先を歩く実弥さんについていく。ある部屋の前で止まり、襖が開けられる。

「ここが客間だ。ここを使え」

部屋の中を見ると、かなりの広さの部屋だった。

「こんなに広いお部屋をいいんですか?」

「あぁ。それと、その格好じゃ寝れないだろうから、先に風呂に入れよォ」

確かに、真っ黒なままだと、布団まで汚してしまう。

「何から何までありがとうございます」

笑顔で答える。

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