第9章 再びお館さまの元へ
洗濯や買い物等、色々な家事を済ませていると、もう、お昼近くだ。
手早く昼食を食べる。実弥さんはまだ寝ているようだから、手紙を書く。
『実弥さん、おはようございます。体調はいかがですか。お館さまの所に行ってきます。今日の夕食までは準備していますので、明日の分は自分でお願いします。おはぎは多めに買ってますので、お好きなだけどうぞ。
一つだけお願いがあります。お洗濯したのですが、まだ乾いてない服があって、干したままにしていますので、夕方には取り込んでいただけると助かります。
お館さまからは泊まりで、と言われていますが、なにかあれば早めに帰ります。
では、行って参ります。
ノブ』
少しは上達したと思うが、まださすがにすらすらとは書けない。台所の机の上におはぎと昼食と一緒に置いておく。
荷物をまとめ、椅子に座って待っていると、玄関から声がする。
「ごめんください」
荷物を持ち、勝手口から出て、玄関へと向かう。
「こんにちわ。初めまして、三井と申します。今日はすみません。お世話になります」
「こんにちわ。ノブ様ですね。私、隠の後藤と申します。本日はお館さまのお屋敷まで私が担当させていただきます。よろしくお願いいたします」
うわー!!隠の後藤さんだ!まさかの後藤さんに興奮しながら答える。
「後藤さん~!こちらこそよろしくお願いします!お会いできて嬉しいです~!」
「…私をご存じで?」
おっと!興奮しすぎて、つい口走ってしまった。怪訝そうな目でこちらを見ている。
「…いや、あの、すみません。前に斉藤さんが…」
「あぁ!そう言えばこちらに一時期来てましたね。ん?こちらでお世話をしてると言ってましたが、ノブ様のことですか」
「あ~。たぶんそうです。斉藤さんには色々とお世話になりました。ずいぶんと怒られましたけどね。あ!後藤さん、斉藤さんにも言ったんですが、敬語はなしでいいですよ。様付けもやめてください。私は鬼殺隊員ではないですし」
「いや、風柱様の奥様ですから、それは出来かねます」
また嫁だ…