第8章 恋柱
【実弥side】
「ノブちゃん、大丈夫?えーーーっっ??!!し、不死川さんっっ???!!!」
「あ゛ぁーーッ!!お前、甘露寺ッ??」
何で甘露寺がいるんだァ、うちに。
しかも、こいつ、ニヤニヤしやがって!絶対俺が甘露寺の事を知ってると思ってたなァ!
この驚き方だ。甘露寺も知らなかったようだ。
「やっぱりお知り合いでしたか」
呑気な声に、苛立ちながら言う。
「おい、説明しろォ」
「いえ、蜜璃ちゃんの着ているお洋服が実弥さんの隊服と似ていたので、鬼殺隊の方かなぁ、と。後ろに殺の文字のある服は普通着ませんし。あと、実弥さんは柱なので、蜜璃ちゃんが隊士であれば知っているかとは。まさか実弥さんが蜜璃ちゃんをご存じだとは」
それだけで、か。まぁ、鬼殺隊の隊服を知ってれば、甘露寺の服を見て、そう思うかもしれないなァ。
だが、少し違和感を感じたが、何かは分からない。
とりあえず返事をする。
「こいつも柱だよ」
「蜜璃ちゃんも?」
そう言った後の反応を見ようと思ったが、すぐに甘露寺が話し始め、顔が見えない。
「そうなのよ。でも、まさかノブちゃんの居候先の人が、不死川さんだったとは…本当ビックリしたわっ。…あ!でも、柱合会議で言ってた不死川さんのお嫁さんのノブさんて、ノブちゃんの事だったのね!」
「おいっ、甘露寺ィッ!!それは何度も違うと言っただろうがァッッ!!」
またその話を言うのかァ!何で人の話を聞かないッ!!柱合会議の時に話した筈なのに、全く聞いてねェッ!!
「…何ですか、その嫁って?」
「柱合会議の時にね、お館さまが不死川さんにノブちゃんのことを聞いてたのよ。一緒に住んでるって言うし、お館さまも認めてるから、お嫁さんなんだろうって」
「だから、何度もただの居候だって言っただろうがァッ!何でお前らは全く人の話を聞かねぇんだ、なぁ甘露寺ィ!」
そう言いながら甘露寺を思いっきり睨むが、全く気づいてねェ。
「あの、実弥さん。柱の方達って、私の事もしかして不死川さんの嫁とかって勘違いされてるんですか?」
あいつが焦ったように聞く。