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【鬼滅の刃】あなたに逢いに 

第8章 恋柱


【実弥side】


稽古が終わり、道場で片付けをしていたら、珍しくあいつが現れた。

何かと思えば、今日は友達を連れてきたと。
そして、会って欲しいだとォ。

なぜ俺があいつの友達とやらに会わなきゃいけねェんだ。だいたい、居候のくせに、勝手に屋敷に人をあげるもんじゃねェ!

あいつの話を聞いてたら、段々と怒りが込み上げてきた。だから、怒りのままにかなり強く言ったが、あいつは怯むことなく、すぐに言い返してきた。

「………お願いします」

話終わると同時に、あいつは深々と頭を下げる。

まくし立てて長々と言われた分、怒りも少し落ち着いた。

何より、何も考えていなかった訳ではなかった。
自分の立場を分かった上で、ちゃんと確認を取ろうとしているし、駄目であれば付き合わないとも、言っている。
これだけの覚悟に、ここで会わないのも、男じゃねえなァ。

俺も覚悟を決め、返事をする。

「…分かったよッ!見るだけだぞ!話しはしねぇ。見てダメだったらすぐ帰らせろォ。分かったな」

横を向きながら言う。
正直、面倒くせェが、駄目だと言い続けても、こいつのことだ。諦めはしないだろう。
そんな俺にあいつは自分のペースのままだ。
こうなったら、本当どうしようもねェ。勝手に腕をつかんでどんどん進んでいきやがる。

「ありがとうございます!じゃあ、行きましょう。だいぶお待たせしてますから。実弥さん、驚くと思いますよ。とっても可愛らしい方ですし」

あいつは喋り続ける。
可愛いとかは本当にどうでもいい。

「興味ねぇ」

「いや、間違いなく驚くと思うんです」

俺の話を聞いていないかのような返事に、若干イラつきを覚える。

「はぁっ?お前、ちゃんと人の話、聞いてるかァ?」

そう言った後に、どこかで聞いたことのある声が聞こえた。



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