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【鬼滅の刃】あなたに逢いに 

第8章 恋柱


「ノブちゃん、大丈夫?不死川さん、怒っちゃったかしら」

「大丈夫です。照れ隠しみたいなものだから。最後も蜜璃ちゃんの事、お友達として認めてくれてたし」

「ええ?不死川さん、何も言ってないわよ。ノブちゃんの言葉、無視してたわよ」

ぷうっっと頬を膨らませながら蜜璃ちゃんが言う。本当一つ一つの仕草が可愛らしい。

「返事がないってことは、大丈夫ってことだから。ダメならもうさっさと追い出されてるし、ダメだってすぐ言ってる筈だから。だけど、一応確認のため聞いてみたの」

「ノブちゃん、やっぱりすごいわぁ!不死川さんのこと、よく分かってるのねっ!そう言えば、居候先の方はすごく優しいって言ってたけど、不死川さんのことよね?私はよく怒られるし、いつも怒ってるようにしか見えないから、ちょっと信じられないわ」

「口調は荒いけど、ちゃんと話せば聞いてくれるし。ちゃんと聞いてくれれば、何だかんだしたいようにやらせてくれるんです、実弥さんは」

「ノブちゃん、不死川さんの事好きでしょう。すごく優しい顔して話すのね。可愛くってキュンキュンしちゃうわ」

「ええ、実弥さんのことは大好き。でも、蜜璃ちゃんが思っているような恋愛の好きではないけどね」

笑顔で答えるが、目線は少し遠くを眺める。

「そうなの?」

「そう。私はただの居候の厄介者。実弥さんにはちゃんと実弥さんの事を理解してくれる、若くてとっても可愛い女の子が現れる筈だから」

そう、いくら一緒に住んでいようと、私はただの居候だ。体は若くても、中身は四十のおばさん。そして、本来であればここにいてはいけない存在なのだ。
そう思った時、胸がチクリと痛む。自覚してはいるが、改めて考えると少し辛い。

「そうかしら」

蜜璃ちゃんは納得のいかない顔をしながらも、それ以上この事について話してこなかった。

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