第17章 看病
「・・・ところで宇髄。体調はどうだ?熱が高いだろう?」
「正直、体は重いし、目が回る。出血が多すぎたな。」
「薬が飲めるか?化膿止めだ。飲まねば熱が下がらんぞ。」
「あぁ飲む。・・すまん。少し体を起こしてくれるか?」
「いいとも。でなくて悪かったな。」
「いいや。俺、煉獄の顔も好きだからな。こんなに近くでその派手な目が見られて嬉しいぜ。」
「・・いつもの調子が出てきたな。昨日はつらい任務だったんだろう?」
「あんなに死なせてしまったのは初めてだ。後悔ばかりが浮かんでくる」
「人の命は何より重いからな。教訓にして進むしかないだろう。自分の行いを振り返ることも次に進むためには必要だ。」
「・・・そうだな。お前のそんな心の強さが俺も欲しいよ。」
「わはは。これはが俺に何度もかけてくれた言葉だ。俺も君と同じで落ち込んでばかりだ。君にも同じように言ってはくれなかったか?」
「いいや。まだ詳しく何も話してねぇ」
「そうか。ちなみに、は今蝶屋敷で怪我人の手当てを手伝いに行っている。じきに戻るだろう。」
「きっとは、君が自分で動けるようになるまでここに置いておくつもりだろうからな。しっかり手当てしてもらうと良い。」
「さすが、余裕だな。」
「いいや。前にも言ったが、に小さい男と嫌われたくないからな。こちらも必死だ。本心では、君みたいな色男と一緒なんて嫌に決まっている。」
「その色男の俺が、何もせずにいられると思ってる?」
「しないだろう?」
「信用されてるなー俺。ま、の優しさにつけ込むことはしねぇよ。元気な時に堂々とだな。・・・でも、が誘ってきたら分かんねぇけどな。」
「弱っている君にそれは無いと思うぞ。」
「・・・確かに。・・多分ないな。」
「さ、君はまだ熱があるんだから寝るんだ。その傷だと夜かなり熱が上がるぞ。」
「あぁ迷惑かけて悪ぃな。」
「気にするな。お互い様だ。」
天元は目を閉じるとすぐに、すうすうと寝息を立て始めた。
程なくしてがカナエを連れて戻ってきた。
カナエが天元の診察をし、熱が下がらなければ連絡する様にと言い、薬を置いてすぐに戻って行った。