第17章 看病
杏寿郎が天元の様子を見ていると、天元が目を覚ました。
「・・・つっ。・・・ん?煉獄?」
天元は体を動かそうとしたが、体中が痛く、頭もぼんやりしていた。
「起きたか?ここはどこか分かるか?」
少し考えて答える。
「・・・の屋敷。」
「俺、この部屋までどうやって来た?あれ?着替えてある。」
「着替えさせたのは俺だ。君はそこの縁側で半裸のままに覆いかぶさって倒れていた。」
杏寿郎の話を聞きながら天元はさーっと青くなった。
「すまん!手当てをしてもらった記憶はあるんだが、・・・煉獄。怒ってる?」
「あぁ。に覆いかぶさっている君を見た時は、久しぶりに体中の血が沸いたよ。」
まずいという顔をして天元は起き上がろうとしたが、体にうまく力が入らない。
「本当にすまねぇ。俺が一方的にに甘えちまった。は何も悪くねぇからな。」
「わはは。半分冗談だ。は情の深い人だからな、落ち込んでいる君をほっとけなかったんだ。」
「がそうしたいと思ったことを、俺が咎めることは無い。何も後ろめたいことが無いから、その状態で俺を呼んだんだろう。」
「ま、君がなぜ奥方ではなく、の所に来たのかは今回は君の状況に免じて不問に付しておく。」
「いや。本当に面目ない。着替えも取りに行ってくれたのか。感謝するぜ。」