第47章 あなたと一緒に
杏寿郎はまた大きく深呼吸をすると、繋いだ手をぎゅっと握りなおし、すこし真面目な顔になって言う。
「昨日はすまなかった。君に嫌な思いをさせてしまった。謝りたい。」
は微笑みながら首を横に振る。
「ううん。あなただけが悪いんじゃないと思う。私もちょっと余裕がなかったから、嫌な思いさせてたと思う。」
杏寿郎はそれを聞いてへなへなと眉尻を下げた。
「違うんだ。本当に君は悪くない。俺の・・・勝手なヤキモチだ。未熟者ですまない。宇髄に対して勝手に嫉妬していた。あと、誰か知らんが、君と初等部でよくいる黒髪の若い男にも。」
はちょっと驚いた顔になってから笑った。
「・・・杏寿郎、ヤキモチ焼いてくれるくらい私の事好きってことでしょ?・・・すっごく嬉しい。」
「でも、あなただけを愛してるから安心して。天元とも、田中君とも何もない。天元なんて雛鶴さんのお腹に二人目できたかもって。」
「二人目?」
「そう。つわりっぽいって。」
「二人目か・・。」
杏寿郎は体を起こしてに覆いかぶさる。そして首筋に顔を埋めてスンと匂いを嗅ぎ始めた。そしてちゅっちゅっとあちこちにキスを始める。
「ん?」
「次の子は何寿郎にするか?」
「ん??・・・ふふふ。あなたも二人目欲しいの?」
「俺は君との子なら何人でも欲しい。が、妊娠も出産も君に負担がかかるから、君が良ければだが・・・。」
「何人もって訳にはいかないけど、桜寿郎は可愛いし、あなたも可愛いから、後何人か家族が増えるのも楽しそうだね。」
「今、桜寿郎を先に言ったか?」
「もー。桜寿郎にもヤキモチ焼くの??」
「わははは。冗談だ。」
はこの人には敵わないと思いながらふと時計を見る。
「あ、5月10日になったよ。杏寿郎、お誕生日おめでとう。またいっぱい笑う歳にしようね。」
「。ありがとう。君と一緒ならずっと笑っていられる。ほら。キスをさせてくれ。」
「いいよ。・・・でも、5月10日は月曜だからね。」
「ん・・?あぁ、まぁ、君、1日くらい寝なくても大丈夫だろう?」
「・・・ふふふ。誕生日だから・・ま、いいか。」
「そうだ。さあ、。集中」