第17章 看病
は杏寿郎を手招きする。
「来てくれてありがとう杏寿郎。天元殿意識が無いから、ちょっと一緒に動かして欲しいんだけど。」
「あ、あぁ。」
困惑しながらも天元の加重を少し移動させると、がするりと出てきた。
「ちょっと詳しくはあとで説明する。」
はてきぱきと部屋に布団を敷き、杏寿郎と一緒に天元を運ぶ。
「天元殿の着替えを取りに行き、蝶屋敷で薬を貰ってきます。熱は傷からだと思うんだけど、血気術かも。様子がおかしかったら鴉を飛ばして。」
「あぁ。委細承知した。」
矢継ぎ早に言うと、は出て行った。
すぐに着替えと薬を持って戻ってきて、天元の着替えを杏寿郎に任せた。
お茶を入れてきて、事の経緯を説明する。
杏寿郎は説明を聞いて納得し、知っている事を教えてくれた。
「俺も聞いた話だと、殉死した隊士の中に、宇髄が仲良くしていた甲の隊士がいたらしい。宇髄の目の前で胴を切られて亡くなってしまったと。俺も共に戦ったことのある隊士で、仲間思いのいい男だった。」
そうこうしていると、の鴉が、に蝶屋敷の手伝いに行く任務を伝えに来た。杏寿郎に天元の看病を少しお願いし、蝶屋敷の手伝いに向かう。