第17章 看病
沸かしておいた湯を桶に張り、天元の脚絆と足袋を脱がせると足を洗いながら温めてやる。
「そんなことまでさせて悪いな。」
「いいえ。寒くないですか?」
は桶を片づけ、隣に座って様子を見る。
「んー ちょっと寒いな。」
言いながら天元はの首に腕を回し、抱きついてきた。
「ちょっと・・。天元殿!やめてください。」
慌てて振りほどこうにもビクともしない。
「悪ぃ、。ほんの少しだけで良いからこうさせてくれ。」
天元が小さな声で頼む様に言う。
天元はをぎゅっと抱きしめたまま動かない。
「じゃあ 少しだけですよ。」
は観念し、天元の背中に腕を回しぽんぽんと叩いてやる。
どの位時間が経っただろうか。を抱きしめた天元がどんどん体重をかけてきて重くなっていく。
「ん?天元殿?」
「あー・・ダメだ。落ちるわ・・・。」
「ちょ、ちょっと。天元殿??」
にそのまま天元が覆いかぶさるようになり、どすんと2人は倒れてしまった。天元はふっーふっーふっーと浅い息をしており、体もどんどん熱くなっていく。
(まずい。熱が出始めた。杏寿郎を呼ぼう。)
倒れたままの姿勢で鴉を呼び、杏寿郎へ伝言を頼む。
すぐに任務帰りの杏寿郎が駆けつけてくれた。
「・・・?どうしたこれは?」
縁側で布団をかけた天元が上半身裸でに覆いかぶさっているのを見て杏寿郎は困惑する。