第47章 あなたと一緒に
シャワーを浴びて、部屋着に着替えた杏寿郎がテーブルに並んだ料理を見て「どうした?今日はご馳走だな。俺の好物ばかりだ。」と驚く。
は杏寿郎に席に着くように促して「何飲む?」と言いながら呆れて返す。
「杏寿郎・・・明日が何の日か忘れたの?明日は月曜日でゆっくりできないから、今日お祝いしようって先週話したのに。」
杏寿郎は少し考えて、思い出す。
「む・・・お祝い?・・・・あ、誕生日か。俺の。」
は嬉しそうに笑って杏寿郎の顔を見る。
「そうだよ。ほら、いくつになるの?」
「う~ん28か?」
は少し目を赤くしながら微笑む。
「杏寿郎。おめでとう。もう28だって。」
「ありがとう。、君のお陰でまた1年間幸せに過ごすことができた。」
杏寿郎はそう言うと、身を乗り出してにちゅっとキスをする。
「・・・あなたのそういう所ホントに大好き。ほら、食べよう。後でケーキもあるよ。」
と杏寿郎は白ワインで乾杯をした。
今年のプレゼントはオーダーのワイシャツとそれに合うシルクのネクタイ。
毎朝シャツを着てネクタイを締めた杏寿郎を見るのがは大好きなのだ。
オーダーシャツは何よりも後姿が美しい。選んだネクタイは見えないのが残念だが、背中の生地の貼り具合と、腰にかけてのスッキリしたライン。ウエストのベルトできゅっと締まって、筋肉が付いて少し張っている腰。鍛えられて丸みのあるお尻。
・・・杏寿郎に欲しいものを聞いても特に無いということだったので、の好みを押し付けたものだったが、「着心地が良い。それに、の嬉しそうな顔を見て、俺も嬉しい。」というなんとも彼らしいコメントを貰った。