第47章 あなたと一緒に
五時半を少し過ぎたころに「ただいま。」と杏寿郎は帰って来た。杏寿郎は桜寿郎が「とぉと!」と笑顔で走り寄るのを「桜寿郎、父さんが帰ったぞ。良い子にしてたか?」と言いながら抱き抱えて顔を覗き込む。
エプロンで手を拭きながら玄関に出迎えに来たに、もう一度「、ただいま。」と優しく微笑む。もにっこり笑って「杏寿郎、おかえり。」と返す。
杏寿郎はの顔を見てもう一度微笑むと、桜寿郎の頭を撫でてそっと足元に降ろした。の傍へ寄ると、がばっとに抱きついた。
「。やっと明るいうちに帰ることができた。・・・・汗臭いかもしれんが、少しだけ我慢してくれ。君に触れたかった。」
抱き締めた腕に力を込める。
も抱き締め返す。そして金の髪のかかる肩口に鼻をつけるとゆっくり息を吸って笑う。
「ふふふ。全然我慢じゃない。杏寿郎の匂いって多分フェロモンが混ざっている。私すっごく良い匂いで好き。・・・って、こんなこと言ったら引く?」
「フェロモン?この君の首のあたりから出ているいい香りか?」
杏寿郎もの首筋に鼻を埋めてすうっと香りを吸い込む。はくすくす笑いながら身を捩る。