第47章 あなたと一緒に
桜寿郎が起きてきたので、一緒にご飯を食べて、お弁当を持って公園に行った。
お弁当を食べて、昼過ぎまで遊ぶと、瑠火さんに渡すものがあったので煉獄家へ顔を出した。世間話をして、昼寝をし始めた桜寿郎を連れて家に戻る。
おだやかな日曜日の午後。は、杏寿郎が小さくなった様なかわいい桜寿郎の寝顔を見ながら、柔らかく癖のある髪の毛を指の背で撫でる。この子を杏寿郎と一緒に育てることができるのは幸せだと思いながら。
前世では天元と育てた桜寿郎。天元は後に生まれた自分の子達より桜寿郎を何よりも大切にしていた。杏寿郎の分と2人分の愛情を注ごうと思ってくれていたのかも知れない。はそれを有難いと思ったし、申し訳なくも思った。そして桜寿郎が「父上!」と天元を呼ぶたびに少しだけ胸が痛かった。
少し切ない気持ちになってきたので、は夕食の準備に取り掛かる。
この日の夕食は、サツマイモのお味噌汁と、枝豆ご飯。鯛のアクアパッツァ、白菜の胡麻和え、唐揚げ、トマトを添えた豆腐サラダ。お弁当の残りのスイートポテトサラダ。謎な組み合わせだが、とりあえず杏寿郎の好きな物達。今日はこれでいいのだ。