第47章 あなたと一緒に
次の日の朝、杏寿郎が四時半のアラームで目を覚ますと、は先に起きていた。いつもの優しい笑顔で杏寿郎を見る。
「昨日のご飯のおにぎりあるよ。・・・お昼はお弁当いる?」
「・・・・あぁ。ありがとう。早い時間に申し訳ないな。無理でないなら頼みたい。」
「杏寿郎が行った後に二度寝するから平気。」
は急いで甘めの卵焼きや、ブロッコリーのおかか和えなど簡単に作れるものを何品か作り、冷凍庫にあったものを温めて大きなお弁当箱に詰めた。今日のサツマイモは一緒にツナときゅうりをザックリとあえたスイートポテトサラダ。桜寿郎ももちろんサツマイモ好きなのでちょっと多めに作る。
杏寿郎も用意ができたようなので、は玄関までついて行って見送る。玄関の前で杏寿郎が止まり、振り返る。少し悲しそうな顔をした後、をぎゅっと抱きしめる。ふぅと短く息を吐くと回した腕に力を込めながら言う、
「昨晩はすまなかった。俺も君を愛している。今日は明るいうちに帰れるようにする。」
直ぐに体を離し、少し赤い顔でそのまま行ってしまった。
杏寿郎のそういう所本当にずるい。そんな顔でそんなことを言われたら、許す以外の選択肢が無くなってしまう。
はもう一度桜寿郎と一緒に横になるが、眠りはしなかった。このところの二人の間にあるもやもやについて考える。
お互い好きな事には変わりが無いんだが・・・。