第43章 再会
髪がふわふわに乾くと、杏寿郎はの前に座る。
「その前に、一つ確認がしたい。俺は君が好きだ。これから君と恋人になりたいのだが、まずは友人からがいいか?」
「私も好きだよ。・・じゃあ、恋人にしてもらおうかな?・・私達、夫婦だったのにね。」
ふふっと笑っては答える。
「よし、では恋人だ。じゃあ・・この位は許されるか?」
との唇にちゅっと口づけをした。
「久し振りでドキドキするな。」
杏寿郎は少し赤くなりながら、幸せそうにの顔を見る。
「…もう。また涙がでてくる。」
も顔を赤くし、俯いた。
「ほら、、…もう一回。」
の顎を上げてもう一度顔を近づけ、両手で頬を挟んで目を合わせた後、ゆっくり目を閉じ、触れるだけのキスをした。
も杏寿郎の頬を両手で挟む。
少し顔を離し、見つめ合いながらお互い相手の唇を2、3回、自分の唇でゆっくり挟む。そして、目を合わせたままふふふっと笑い、鼻先と鼻先を触れ合わせる。2人は嬉しくて堪らないという顔でぎゅっと目を閉じ、額を数回コツンコツンと当てて目を開ける。も杏寿郎も笑っていたが、お互いの温もりが嬉しくて見つめ合う目からは瞬きの度にポロポロっと涙の雫が落ちた。そしてまたちゅっと唇を重ねる。やっと顔を離し、「一回じゃなかったね」と笑い合う。
杏寿郎はの頭をそっと撫でて涙を拭く。愛おしそうに微笑み「あぁ、離れ難いな。」と小さく呟いて立ち上がり、自分の涙も拭いた。
「では、君のご両親に、恋人として付き合わせてもらいたいと挨拶をしてくる。」
杏寿郎は、の顔を見ながら、自分の胸に手をあて、これは緊張するな。と笑い、携帯を持って部屋の外へ出た。
丁度、玄関には槇寿郎と千寿郎が帰って来た所だった。
「瑠火さん、お客さんが来ているのか?」
玄関にあるハイヒールを見て槇寿郎が問う。
「杏寿郎が同僚の女性を連れて帰ってきました。」
「今日はずっと剣道の稽古に付き合わせていたみたいで・・。」
槇寿郎と千寿郎は顔を見合わせて笑う。
「・・そうか。やっとか。」
「ご存じの方ですか?」
「おそらくな。杏寿郎の稽古に付き合うような女性はそういない。なぁ千?」
そう言いながら、の居る部屋に顔を出す