第42章 けじめ
が不安そうな顔でそう言うのを聞いて、杏寿郎はの頬を両手で包み、目を合わせて笑う。
「もちろんだ!君が何をしても嫌いになんかならないと言っただろ?それに、君は弱くなんかない。・・いや、もう兎に角、俺は君の全てが大好きなんだ。さあ、君もまた俺を好きになってくれ!」
「あぁ・・、また会えて本当に嬉しい。」
杏寿郎は愛おしそうにを見る。
「・・杏寿郎。会いたかった。いなくなってつらかったよ。ずっとずっとあなたを想っていた。」
杏寿郎はうんうんと頷きながら、の頭を自分の肩に抱きよせる。
「杏寿郎の・・心臓の音・・聞こえる・・。」
は杏寿郎の肩に顔をのせ声をあげて泣き出した。
「余計に泣かせてしまったな・・。」
自分の涙も拭きながらの肩を抱いてやる。
「煉獄のあーいう強引なところホントすげぇよな。さらっとプロポーズしてやがる。」
杏寿郎の大きな声だけが聞こえ、何となくの会話の流れから、もう大丈夫と思った四人は職員室へ戻る。さて、と、天元の方を見る。
「宇髄。・・お前はこれで良かったのか?の事好きなんだろ?」
「・・は、記憶が戻ってまず、俺の所へ来たんだ『前世はあなたたくさん愛してもらったから』って。俺はもうそれで充分。一生その言葉で生きていける。次は煉獄がと幸せになりゃいいんだよ。」
「・・は煉獄が好きなんだ。俺に対しての感情は情だ。死に別れた奴にはどう頑張ったって勝てねぇよ。」
「よく言うぜ。前世ではが死んでからは女も作らずにいたらしいじゃねぇか。そんで、現世でもを忘れられなくて、顔が似ているような女と片っ端から付き合って、やっぱ違うって別れて荒れてた奴がよォ。ずっとの影ばかり追っかけてて、俺たちすげぇ心配したんだぜェ。」
「・・それ、に言ったら本当、許さねーぜ。」
「言わねぇから安心しろ。」
「宇髄、初恋は実らないもんだ。」
「冨岡のくせに、そんな事言いやがって。」
「むっ。」
「酒呑むなら付き合うぜェ」
「冨岡の奢りで行こう。」
「いいぞ。奢る。行こう。」
「失恋している宇髄は面白いからな。」
「伊黒・・お前の話も聞くからな。」