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気炎万丈【鬼滅の刃/煉獄杏寿郎】【R18】

第42章 けじめ


杏寿郎はの顔を優しい笑顔で見つめながら言う。
「君の原動力が俺なこと位分かっていたさ。だからこそ心配だった。」

「俺も、君やお腹の子がいるのが分かっていて死んでしまった。もしかしたらあの時、もっと早く止血をしていたら助かったかもしれない。」

「でも、実際、俺は死んだ。君は生きて最後の戦いにも参加し、生き残り、桜寿郎は無事に大きくなった。立派じゃないか。」
「さらに宇髄の事も愛して、双子まで産んだんだろう?何を恥じているんだ?君の周りは皆幸せになっている。」

「杏寿郎は・・私が天元と結婚したのが嫌じゃないの?」

「そりゃあ、勿論いい気はしないが、根回しをしたのは俺だし、俺が死ななければそういう事にはならなかった。先に死んでしまった俺が悪い。」
「俺は、君が辛い思いをしながらも、体を鍛え、また笑えるようになって、人を愛し、天寿を全うした事を誇りに思っているし、それを望んでいた。生きるということは綺麗な事ばかりじゃない。」
「俺の事ばかりを考えて、泣いて暮らすよりもずっと良い。」

は涙をポロポロ流しながら聞いている。杏寿郎も眉を下げ少し困った顔になりながら続ける。
「俺が残念で悔しいのは、そこに俺がいなかったことだ。君を幸せにすると言いながら、不甲斐ない。」

「、俺はこれから、前世でできなかった分、君と幸せになりたい。そう思ってずっと君とまた会えるのを待っていた。やっと出会えた。また君の人生に関わらせてくれないか?」

は口元を両手で隠し、杏寿郎を見つめたまま泣いている。杏寿郎も泣いていた。
「ほら、泣くな。俺の大好きな君の笑った顔を、もう俺には見せてくれないのか?やっと100年振りに、君に会うことができた。俺は、俺の横で笑う君の顔がもっともっと見たい。」

の涙を拭きながら、顔を覗き込む。
「、君はいつもそうだ。記憶が戻ってからも、俺の気持ちや宇髄の気持ちばかり考えていたんだろう?そういう思いやりのある所も勿論好きだが、はどうしたい?の気持ちを言ってくれ。」


はしばらく下を向いて泣いていたが、意を決して顔を上げた。

「私、・・・またあなたを好きになってもいいの?弱い私を嫌いにならない?」

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