第39章 確認
「・・・ん。ごめん。分かった。そうしたいんだね。」
は台からスタッと降りる。
「・・・では、天元。現世はお互いの幸せを近くで見守っていくということで。」
「あぁ。そうだ。幸せな顔を見せろ。」
天元が優しく笑う。
「・・天元も。」
もにこっと笑い返す。
「最後にハグしていい?」
が手を広げる。
「・・・・。」
天元は黙って立ち上がり、を抱き締める。
も天元の腰をぎゅっと抱きしめ、胸いっぱいに息を吸い込み、ふふっと笑って言う。
「天元、いい匂いがする。」
「・・俺は・・・色男だからな。」
天元はふぅっと小さく溜息をつき、目を閉じて拳をぎゅっと握った。そしてその拳をゆっくり開くとの背中をぽんぽんと叩き、離れた。
プイっと顔が見えない様にし、に背を向ける。
「さ、鍵閉め行け。」
「はい。宇髄先生。」
「・・・来世は違う形で会えるといいね。」
と、は天元の背中に向かって小さい声で呟き、教室から出ていく。
パタパタと足音が遠ざかる。
の足音が聞こえなくなるのを待ってから、が出ていった方ではないドアの向こうに声を掛ける。
「雛鶴、いるんだろ?」
「・・・はい。聞くつもりはなかったのですが・・・すみません。」
「でも、・・・天元様、どうしてあんな嘘を?」
「さんの事、まだお好きなんでしょう?チャンスだったのでは?」
「いや、俺ととは前世でもう終わったんだ。あいつは煉獄と一緒にいる方が良いんだ。雛鶴、聞いてたろ?俺はお前を幸せにしてぇ。」
「・・・でも天元様、泣いてるじゃないですか。」
「私、最初から天元様がさんを前世からずっと想っているの分かってましたよ。」
「知ってて付き合ってくれてんの?・・・あー俺、恋人にそんな気遣わせて最低だ。」
「本当に愛してらっしゃるんですね。さんを。」
「でも、私を幸せにしたいと思って下さってるなら、私それまで待ちますから。」
「私、そういう優しい天元様が好きなんです。それに、前世では死ぬまで指一本触れてもらえませんでしたからね。前進してます。」
「いー女だな。雛鶴。」
「惚れた弱みですね。」
その夜。