第31章 夢
「ありがとう天元。私が甘えてるばっかりにご迷惑を・・。」
「そんなことねぇ。お前も強い心を持ってる。」
「いいえ。現実を見ようとしませんでした。」
「じゃあ、何で体を鍛えてたんだよ。」
「何も考えなくて済むからです。」
「体鍛えるのも楽じゃねぇぜ。お前は、ちゃんと分かってんだよ。煉獄の遺志を継ぐために強くならなきゃいけないって。」
「・・・。」
「お前が今必死で極めようとしてる技は何だ?」
「・・・炎の呼吸 玖ノ型 煉獄 」
「何でだ?通用しなかったんだろ?」
「杏寿郎が最後に悔しかったのはこの技で首を切ることができなかったことじゃないかと。もっと速さを増せばもしかしたらと。」
「ほら。次にやる事もちゃんと分かってるじゃねぇか。」
「泣いたらすっきりした顔になってるぜ。目、腫れてるけどよ。」
天元はの目を覗き込んで言う。
「天元、ありがとう。」