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気炎万丈【鬼滅の刃/煉獄杏寿郎】【R18】

第31章 夢



声も枯れ、涙も出なくなった頃、くすんくすんと鼻をすすりながらウトウト眠った。
天元はずっと何も言わず、の頭を撫で続けた。

は杏寿郎の夢を見た。
杏寿郎が夢に出てくるのは初めてだった。
心配そうにを見ている。そして、優しく手を握って言う。

「。先に死んでしまってすまない。俺のせいで泣かせてすまない。寂しいだろう。辛いだろう。」

「でも、俺の心は君の傍にある。君は強い。猗窩座を倒せ、他の上弦の鬼を。鬼舞辻無惨を。」

「戦いの無い世でまた会おう。まだこっちへは来るな。は泣いている時よりも、笑っている時の方が強い。」

「さぁ。君が次にすべきことは何だ?」

は杏寿郎の手を握り返す。
「私は、あなたよりも強くなる。」

「そうだ。ちょっと悔しいが、俺はそれも楽しみにしている。」
の大好きな杏寿郎の笑顔で言う。

「・・・あと、宇髄を愛してやれ。俺の分まで。彼もまた君の人生に彩をくれる。」
杏寿郎がの手の甲へ口づけをする。


そこで、は目が覚めた。顔を上げると天元が優しい紫の目で見ていた。
「少しは気が済んだかよ?」
外はもう真っ暗だった。
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