第25章 父上
「・・・あれ?もしかして、俺が一番最初に抱っこしちまった?」
「・・・そうかも。」
「え、悪ぃ。ほれ。」
の胸に桜寿郎を預ける。
「わ・・・。ほんとに軽い。小さいね。」
「甘い、いい匂いがする・・。」
顔を近づけ、くるくるの小さい目を見つめ、杏寿郎の目だと思いはふっと笑う。
「、やっとちゃんと笑ったな。」
「そうかな。」
「そうだ。」
「よく見てるね。」
「お前の事好きだからな。」
「また、そう言って・・・。」
「でも、いつも元気づけてくれてありがとう。こうやって一緒に桜寿郎が生まれたのを喜んでくれて嬉しい。」
は天元の顔を見て、丁寧にお礼を言う。
「・・・俺としても、傍で見届けられて良かったぜ。」
「・・・すまん。長居したな。良く休んで体力を回復させるんだぜ。」
「ありがとう。」
「さ、じゃ、また明日な。」
「え?明日も?」
「いや、そこは喜ぶところだろ?」
「そうかな?」
「そうだ。俺の顔見たいだろ?」
天元は返事を聞く前にの頬へ優しく口づけをした。
「天元!」
「今日の駄賃でもらっとく。よし、桜寿郎も明日な。」
桜寿郎の額にもちゅっと口づけをし、病室から出た。