第21章 報告
2人で暫く沈黙していたが、杏寿郎がぱっと顔を上げた。
「しかしだ。君は1つ大きな思い違いをしている。」
杏寿郎はにこっと笑い、の目を見ていつもの溌剌とした声で言う。
「さあ、。改めて俺に嬉しい報告をしてくれ!」
は、少しきょとんとした後、「あぁそうか」という顔になった。
「私の・・お腹に、杏寿郎さんの子どもができました。」
「わっしょーい!!」
「ちょ、ちょっと杏寿郎?声が・・・」
「ありがとう。。俺を父親にしてくれて!」
をぎゅっと抱きしめる。
「いつも君には嬉しいものばかりを貰う。」
杏寿郎が大きな声を出すので、しのぶが驚いて駆けつけ、2人の様子を見ながら「やっとか」と察した。
「言うなと言われていたので黙っていましたが、お腹の子は無事です。」
「煉獄さん、奥様のご懐妊おめでとうございます。もうすぐ妊娠4カ月です。年明け頃の予定ですよ。」
「お館様には報告してあります。鬼殺隊は引退でも、休止でも良い。元気な子を産んで欲しいとのことです。落ち着いたら顔が見たいとの仰せでした。」
「煉獄さん。嬉しいのは分かりますが、大声はやめてくださいね。」
しのぶは一気にそれだけ言うとにこりと笑って病室から出た。