第1章 美少女
カ:「ちゃんは私たちになんて答えて欲しいか聞いてきたわよね?」
:「はい」
カ:「私たちはあなたが感じたこと、見たものを正直に話して欲しい。本心を聞かせて欲しいわ。」
:「私の本心…」
カ:「えぇ、ちゃんの思いを聞いて、怒ったりする人はここにはいないわ。安心していいのよ。」
:「鬼は、私の家族を殺しました。でもきっと、鬼が家族を殺してくれなければ、私が家族に殺されていました。だから、鬼は私を助けてくれたと思ってます。鬼は、命の恩人です。」
不:「てめぇ…」
:「はっ…。ごめんなさい。今のは…」
カ:「不死川君。ちゃん、確かに鬼に助けてもらえたのかもしれないけど、お姉さんはちゃんのこと、思っててくれてたんじゃないかしら?」
:「姉は馬鹿でした。ずっと。ずっと、バカだった。最期まで。」
胡:「よくお姉さんのこと…」
カ:「どうしてそう思うの?:
:「自分だって毎日死にそうなのに、私の心配なんかして、余計なことするから、父さんにお仕置きされて。人の心配より、自分の心配したらいいのにってずっと思ってました。それに最後に鬼に喰われたときも、自分が喰われそうなくせに、妹だけは、と言ってました。人の心配していいのは、自分のことに余裕がある人だけなのに。」
胡:「そんなこと…」
不:「お前…」
カ:「そう。でもそれはきっと、ちゃんが大切だったからそう言ってたのよ。大切な人は自分の命も顧みないで守りたいと思うものよ。いつかきっとちゃんにも分かるわ!!」
:「そうなんですかね…。」
カ:「えぇ!大丈夫よ!今日からは不死川くんの家に居させてもうといいわ!」
:「分かりました。」
不:「おい胡蝶、勝手に決めんじゃ…」
カ:「じゃあ不死川くん、ちゃんのことよろしく頼むわね!」
不:「チッ、分かったよォ、見ればいいんだろ、見ればァ。」
そう言ってと不死川は不死川の屋敷へと向かった。