第10章 *遊郭
翌朝が目を覚ますと不死川がこちらをじっと見つめていた。
:「んんっ…ん…?っ!?なんです…か…」
不:「何でもねぇよォ。」
:「そ、そうですか…」
不:「気をつけて行くんだぞォ。宇髄が言うに上弦かもしれねぇらしいからなァ。」
:「上弦…わかりました。」
不:「後、他のやつに孕ませられたりすんなよォ。相手が鬼だろうが人間だろうがだァ。いいなァ。」
:「あっ…実弥さん…そのことなんですけど…。…。」
はそこまで言って黙り込んでしまった。
不:「なんだァ。」
:「…私、鬼だから子供出来ないんです…」
不:「そうかァ。でもだからって、誰にも触らせんじゃねぇぞォ。」
:「…実弥さんの赤ちゃんも、できないんですよ…?」
不:「それは気にしねぇよォ。まだ結納したわけでもねぇからなァ。」
:「でも、人間に戻っても、鬼になってしまった名残で出来なかったらどうしよう…ぐすっ…」
は泣き出してしまった。
不:「来いよォ。」
不死川はをそっと抱き寄せた。
不:「別にそうなっても俺は構わねェ。と一緒にいるだけで十分だァ。子供だけが全てじゃねぇからなァ。子供ができようかできまいが、への気持ちは変わらねぇよォ。安心しろォ。」
:「実弥さんっ…優しいっ…」
不:「本当に好きな女相手なら皆こう言うだろォ。普通だァ。」
:「実弥さんっ、もし私が人間に戻れたらその時は…」
ピトッ。
不死川の指がの口元に置かれた。
不:「そこから先は言わせねぇ。今回の任務から帰ってきたら俺の口から言ってやる。」
:「実弥さん…」
不:「そろそろ宇髄が迎えに来る頃だろォ。準備しろォ。」
2人はようやく布団から抜け出し、は準備を始めた。