第8章 戸惑い
炭:「冗談なら、俺も良かったです…でも、本当なんです…」
胡:「…」
しのぶにいつもの笑みは無く、眉間に皺がよっていた。
炭:「ただ、他の鬼とはさんも違いますっ…!煉獄さんを守ったんです!多分、あの時さんが来てくれなかったら、鬼の拳は、煉獄さんを貫いてた…」
胡:「私が一度見てから判断します。何かあった際にはすぐに…殺します。」
しのぶと炭治郎は禰󠄀豆子がいつも置かれている部屋へと向かった。するといつの間にか善逸と伊之助も付いてきていた。
コンコン
胡:「入りますね。」
ガチャッ
するとそこには泣きながら禰󠄀豆子を抱きしめているの姿があった。
胡:「さん…」
:「しのぶさん…」
は立ち上がり、しのぶの方は寄って行った。
禰󠄀豆子は炭治郎を見つけると走って炭治郎の元へ行き、抱きついた。
胡:「本当に…鬼になってしまったのですね…」
:「ごめんなさい…ごめんなさい…しのぶさん…鬼になんか…なってしまって…」
はしのぶの少し怯えた表情を見るとそう言って泣き崩れた。
炭:「しのぶさん、たしかにさんは鬼になってしまったけど、人を食った匂いはしない。まだきっと誰のことも襲ったりしてないです。」
胡:「さん、さんの口から私は聞きたいです…。人を襲ったことは無いですか?」
:「ないです…一度も…」
胡:「人の血や肉を欲したことは?」
:「ありません…」
胡:「人間の頃の記憶はありますか?」
:「あります…」
胡:「では、あなたが愛する人の名は何ですか…?」
:「…師範…不死川…実弥…」
の流す涙が先ほどよりも大粒となった。
胡:「さん、みんなずっと、あなたのことを待ってました…!」
しのぶから怯えたような表情は消え、を抱きしめていた。
胡:「あなたは鬼なんかじゃない…ちゃんとみんなのことをまだ覚えてる…人間です…さん…おかえりなさい…」
:「しのぶさん…!」
はしのぶにしがみつき、子供のように泣いた。