第1章 メイドさん東方司令部に行く
貴女「はい、なんでしょうか?」
グラマン中将が私を爪先から頭まで見た後に言う。
グラ「服装はどうするかね。今のはアームストロングの所で働いていた時のものだろう。必要とあればこちらから新しく支給することもできるが、どうするかね」
今の格好はブリッグズ要塞で採用が決まった時少将からいただいたもの。軍で働いてはいるが軍人では無い私に軍服を着せるのもしっくりこないとのことでいただいたメイド服。丈の長いタイプの物だが動きやすく上質な生地でできているため不自由はしない。
貴女「許可がいただけるのならこのままで働かせていただきたいです。この服見た目は普通のメイド服ですが、小型銃の携帯に適してますし、動きやすいので。」
グラ「それならいいが…。また、アームストロング少将はなぜ給仕にまで銃を支給しているのだね?」
グラマン中将は責めるわけでもなく、淡々と聞いてくる。
貴女「ブリッグズは敵国がいつ攻めて来るかわからないですから、自分の身は自分で守れるようにと銃の扱いから体術、応急処置まで少将に仕込まれました。」
少将の指揮のおかげでブリッグズ要塞に敵が侵入することはなかったが、万一のためと仮採用の期間軽い訓練を受けていた。ブリッグズの掟「弱肉強食」はそこに働くものは皆それに従う。給仕であっても例外では無いところが辛くはあったが給料が高めだったので頑張って耐えた。
グラ「ほぉ、それは頼もしい。東もここ最近は物騒だからね。あちらで訓練されているのならば心配ないだろう。銃の所持は許可しよう。」
貴女「ありがとうございます。」
最終手段として錬金術があるので心配はないが、あまり得意ではないため銃があった方が安心だ。
グラ「ところで君の持ち場だが…