第2章 酔いに任せて(後編)R-18
「・・んっ・・ふっ・・」
口から洩れる声すら絡めとるように、七海さんの舌が口内を蹂躙する。どこかにつかまりたくて伸ばした手は七海さんの背中に回った。大きくて筋肉質の身体、広い肩幅・・。十分近い距離なのに、それでも物足りなくてきつく引き寄せてしまう。私の後頭部を抑えていた手が胸元に触れた。自分以外が触ったことがない場所に彼の手が伸びる。それだけで、まだ服も脱がされていないのに羞恥心でどうにかなりそうだ。
「脱がしますね」
そう言い、私の上半身を起こし背中のファスナーに手をかける。ワンピースだからこれを脱いでしまえば後は下着だ。ダイエットしておけばよかったかなぁ。そう言えばお部屋の中が普通に明るい。
「七海さん!」
「なんです?」
「あの・・電気消してください」
指差しした先には輝くLEDライト。これから全部服を脱ぐのに流石に恥ずかしすぎる。
「可愛いワンピースですね」
「え?あ、ありがとうございます。あの、電気・・」
「もう少し見ていたい。下着も・・」
そう言ってスルスルと服を脱がしていく。
「え、あの、話聞いて・・」
「この下着はそそりますね」
ライトグリーンのレースをあしらった下着に目を細め、首筋から胸元にかけて七海さんの唇が這っていく。
時々思い出したかのように舌先で刺激するから、その度に声が出てしまう。
「ひゃん!・・ちょ七海さんくすぐったい!」
押しのけようとした腕を絡み取られ、ベッドに再び押し倒されてしまった。抵抗ができない中、唇と舌先で首筋、そして胸元、胸の谷間にまで愛撫が繰り返される。本気で抵抗しても敵わないのだから無駄なことなのだけれど、何か動いていないとどうにかなりそうで・・。しきりに手を動かしては七海さんに抑えられる。七海さんなら私の動きを完璧に封じ込められるはずだけど、それをしないのはきっと優しさ・・ではない、楽しんでいるんだ。
口の端が弧を描き、私の反応を見て今度は強く首筋に吸い付く。この行為が何を意味するのか分かっている。
「七海さん!目立つからそこは!」
私の懇願はむなしく、首筋にクッキリと桜色の痕が残っている。
下着の紐は外され、いつの間にかホックも外されて私が纏う布はショーツ一枚になってしまった。
「綺麗です・・」
満足げな笑みを浮かべ、指先で主張した先端に触れた。指先で形を確認し、舌先で弄ばれる。