第7章 休日
しばらく歩くと
あなた「わぁ〜、すごい…きれい」
連れて来られたのはこの街の景色が一望できる場所だった
リヒト「俺は一人でいる時はいつもここに来てた」
リヒトが初めて私に自分のことを話してくれた
リヒト「お前は…他のやつとは違う」
あなた「へっ…⁈」
思わぬ言葉に変な声を出してしまった
リヒト「大抵は死ぬ間際は自分のことばっかりだ、だけどお前は違った…自分の大事な奴らのために自分の全てをかけられる。そんなお前だから俺はお前の死霊(しんき)になったのかもな」
風でなびく髪を手で押さえながらリヒトの方を見るといつもの険しい顔がとても柔らかな表情に変わっていた。どこか笑っているようにも見えるその表情に私は見惚れてしまった
リヒト「………おい」
あなた「はっ…えっなっ何⁈」
リヒト「いや、ぼーっとしてたろ」
あなた「えっ あーちょっと考え事してて」
まさか見惚れてた…とは言えないので私はそう言った
景色を見ながら他愛もない話をしているとすっかり日が落ちてしまっていた
リヒト「そろそろ帰るか」
あなた「そうだね…」
私はちょっと名残惜しい気持ちを残してその場を後にした