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流星の絆

第2章 第二章 未完成な音色


❁❁❁ 万理side ❁❁❁


初めて会った時から横柄な態度だった北斗さん。

俺様キャラっていうのかな?
でも、見た目の派手さとは裏腹に彼は真面目で優しい人だった。

詩音の幼馴染だって聞いていたけど。
どういう縁で知り合ったかは聞いていなかったし、根掘り葉掘り聞こうも思わなかった。


「コイツは捨て子なんだ。生まれてすぐに捨てられてな…真冬だった」

「幸い、養父が拾ってくれたんだけど。世界的にも有名な作曲家だったから、懇意にしている孤児院の院長先生に預けたんです。ちなみに僕も捨て子でしたが」

え?
今すごいことを聞いてしまった気がする。

「まぁ俺も家庭環境は最悪だったけどな」

二人は何でもないように話すけど、かなり重い過去を持っていたみたいだ。

「そんで話は戻るが、こいつの養父は桜春樹だ」

「はいぃ?」

今なんて言った?
桜春樹って言えば、ゼロの作曲家だったあの人?

「そんでその人は俺の母方の弟だ」

「えええ!」

「静かにしてくれる?起きるじゃないか」

「すいません」

叫ぶなって言う方が無理だと思う。

詩音の養父が桜春樹さんで。
北斗さんの伯父に当たる人が、桜春樹さんってこと?

頭が混乱しそうだ。
でも、なんとなく合点が行く。

詩音の音楽に関する知識と表現力の高さは桜春樹さんによって鍛えられたものだったのか。

「まぁ、伯父さんは昔から自由過ぎる人だったらしい」

「十五年前、ゼロの失踪事件をきっかけに日本から姿を消したんですが、いきなり詩音を連れてノースメイヤに行ったまま音信不通で年に一度絵葉書が届く程度だったよ」

深いため息をつく二人を見る限り、桜さんはかなり自由な性格だったらしい。

「まぁ、日本よりも海外の方が詩音にも合っているからな」

「養父に似て変人だからな」

「はっ‥はぁ」

どうしよう。
否定ができない気がするんだけど。

あの自由過ぎる性格は養父によって構成されたんだろうな。

うん、千以上に我が道を行くのは養父譲りだったんだ。



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