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流星の絆

第1章 第一章 消えた天才作詞家





久しぶりに爆睡した。
まだ明け方だった私は万理を起こさないようにこっそりベッドから抜け出した。


「とりあえず、コンビニに行こう」

残金はわずかだけどある。

「とりあえず、朝一番の糖分を摂取しないと」

小銭だけを持って、近くのコンビニ向かう事にした。


「いやぁ、こんな時間にコンビニ来るなんて久しぶりだわ」

忙しくなってからは買出しは凛人が行ってくれていたし。

「やっぱり朝一は王様プリンは外せない」

カゴにカップラーメンに王様プリンを淹れて行く。

最期の一個も忘れずに…

「あ、すいません」

「いえ、こちらこそ…詩姉さん?」

「え…」

声を聞いて私は固まった。

何故だ!

何故彼がここにいる!

「ナンノコオデショウカ」

「詩音姉さんだろ」

「ワタシノナマエハナナシノゴンベエデス」

まずいまずい!
何でこんな時間にコンビニにいるのよ!

それ以前に何で?

「サヨウナラ」

「待て待て!何処に行く気だ!」

「ぐぇ!」

首根っこを掴まれる。

「まぁ、そう言わずに仲良くしようぜ?」

ニヤリと笑う腹黒い笑みは父親にそっくりだった。

「お父さんに似て来たね」

「似てない」

仕返しに嫌味を言うとプイッとそっぽを向かれてしまった。


「とりあえず店に入ろうぜ」

「少しだけね」

この近くに行きつけの喫茶店がある。
この時間なら人は少ないし、大丈夫だろうと思った。

老人しかいないし。


「流石、ここの紅茶は最高ね!」

「朝っぱらからどんな胃袋をしてんだよ」

モーニングセットに紅茶を頼み、ホクホクだった。
ここのモーニングセットはパンと紅茶のお代わり自由だったから財布に優しい。

「ここのパンはいくらでも入るわ」

「俺は吐きどうだぜ。何で姉さんの胃袋よりも明らかにメガサイズのパンが入るんだよ」

「マスター!お代わり!」

「それでまだ食べるか」

「食いだめしておくからいいの」


朝は沢山食べるのがモットーだからね!

それにしても大和は何時から一人暮らしをしたんだろう?

少し前まで実家暮らしだったのに。

謎は深まるばかりだな。


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