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流星の絆

第1章 第一章 消えた天才作詞家


❁❁❁ 天side ❁❁❁


詩音さんが消えて数日が過ぎる。
芸能界ではいよいよ死亡説が出て、笑えない冗談になって来た。

普通なら一週間ぐらいで騒がないけど。
詩音さんが何も告げずに消えた事が問題だった。

あの人は仕事に関しては一切の妥協を許さない。
スタッフに対しても誠実だったから、仕事を放りだすなんてありえない。

スランプで消えた?

馬鹿じゃないの?

例えスランプでもあの人は何も言わずに消えるとかありえない。

病気で入院している説の方が信憑性がある。

あるいは大手事務所の圧力で干されたという説もあるけど、あの人は図太いから、転んでもただで起きない。


「一体どうなってんだよ!」

「あんな仕事にプライドを持った人が…死亡説もあるけど」

「馬鹿言わないでくれる?ゴキブリ並みに生命力のある人がありえないでしょ?」

「天、酷いぞ」

事実でしょ?
彼女はあの極悪非道の八乙女社長ですら手を焼かせるほどの人だし。

「彼女が引退なんてありえない。可能性としては大手事務所の圧力の方がありそうだよ」

大手事務所と言っても、ある程度の事務所ぐらいなら大した圧力はかけられない。

詩音さんは一部の俳優や女優から可愛がられている。

その理由として、彼女はアーティストだからだ。
大物女優に俳優は僕らのようなアイドルを嫌う傾向がある。

演技や音楽のその道一筋の人達はアイドルは顔だけという偏った考えを持つ人がいる。

言うなれば職人気質的なものだ。

そんな彼等からみたら、詩音さんはモノ作りのプロであり職人気質な一面があるから共感を持たれている。

何より根性があると星影の麻宮巴さんや、ミスター下岡さんとも懇意だった。

「彼女は誰よりも仕事に誠実な人だ。自分から辞めるなんて絶対ない」

「天…」

「ああ、あの人は責任感が強いからな」

勝手にいなくなるなんて許さないよ?

まだ認めて貰ってないのに。

何時か貴女に世界一のアイドルだって認めさせるまで引退なんて絶対に許さないから。

見つけたら正座五時間だからね!
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