第27章 思惑絡むコンチェルト【起首雷同】
「どこの部族よ」
「俺よりバカって意外といるよな!」
「度胸を試して何がしたいんだ?」
「あぁいう人たちって、死ぬかもって発想はないよね」
「紐どうすんだよ」
釘崎、虎杖、順平、詞織、伏黒は、揃って不良たち二人を呆れた目で見た。
「いやいや、俺たちはやんないっスよ」
「親世代の先輩とかが話してんの聞いただけで」
ぶんぶんと首を振る不良たちを置いて、武田がそのときのことを語り始める。
「ある日、四人が無断欠席をしてね……」
そう珍しいことではなかったんだが、家に連絡してみると、前日から帰ってないと言われたそうだ。
結構な騒ぎになったものの、すぐに橋の下で倒れているのが見つかった。
すぐさま大説教になったが、本人たちは何も覚えていないの一点張りだったらしい。
やがて武田に促され、不良たちは学校へ戻って行ったが、伏黒の手前だから、文句を言うことなく大人しかった。
「当たり……っスかね」
「八十八橋なら俺たちも行ったことあります」
「バンジーしに? いってぇ‼」
ゴッと伏黒は無言で虎杖を殴りつける。
「あぁいう心霊スポットは、学校とかと同じで【呪い】が溜まりやすい。だから、高専関係者が定期的に巡回するの」
「けど、そんときは何ともなかったですね」
詞織の説明に伏黒も続ける。
心霊スポットとして有名ではあるが、現在も普通に使われている橋だ。