第26章 狂おしいほどのパッショナート
「まぁ、さすがにそのままのルールでやったら差し障りがあるからね。王様を引いた人は番号を一つだけ上げて、その人に一つ質問をする。面白い話とか、ちょっと恥ずかしいエピソードを引き出してね。ただし、質問は個人の尊厳を傷つけないようにしてくださーい。相手を不快にさせないよう、楽しくやりましょーう!」
五条の説明に、「それなら、まぁ……」と順平が納得する。
ホント、ロクなこと考えないな、この男は。
「質問がある人ー!」
「はい」
「伏黒君、どうぞ!」
「やりたくありません」
「参加拒否は認めませーん」
そうだとは思ったけど。
「メグ、諦めて」
はぁ、とため息を吐き、癒しを求めて詞織の手をふにふにと握った。
「じゃあ、始めまーす! 王様だーれだ‼︎」
一斉に筒からクジを引く。
「はいはい注目ー! キング・オブ・ザ・ゴジョー!」
「何か仕掛けしてんじゃないでしょうね?」
「ズルしてる可能性はあるな」
「ユージ、筒チェックして」
「ほいほーい」
念入りに筒をチェックし始めた伏黒たちを、順平は「えー…」と眺める。
「注目ー! 僕、仕掛けもズルもしてないから!」
しらー…と白けた視線を受けつつ、五条は気を取り直して、王様のマークのついたクジを全員に見せつけた。
「では、三番の人! ファースト・キッスがいつか教えて下さーい!」
「げ」
三番って自分じゃないか。最悪。