第26章 狂おしいほどのパッショナート
「はいはーい! 始まりました! 順平の歓迎会――ッ‼︎」
パンパンッとクラッカーが鳴り、「いぇーいッ!」と虎杖と五条の盛り上がる声が響く。
気持ちばかり、詞織が小さく手を叩き、順平も恥ずかしそうに顔を赤くしている。
そんな彼らの様子を、伏黒は釘崎と冷めた目で見ていた。
歓迎会とかホントどうでもいい。
早く詞織と二人きりになってイチャつきたい。
「今年の一年も気づけば五人かー! 結構 増えたね」
「そんなに多いのか?」
五条の言葉に、虎杖がスナック菓子を口に頬張りながら尋ねる。
「だいたい二〜三人の年が多いかな。五人もいる年は結構 珍しいよ」
ふぅん、と気のない返事をしながら、虎杖はジュースを煽る。
そこへ、「ふっふっふーッ!」と気味の悪い笑みを浮かべ、五条が何かを取り出した。
「ジャカジャーンッ! 親睦を深めるために、王様ゲームしよー!」
ハイテンションな担任に、伏黒たちは全くついていけていなかった。
「なぁ、王様ゲームって何?」
「知らない。キョーミない」
「詞織、オマエは一生知らなくていい」
「合コンに来たつもりないんだけど」
「いや……さすがにこのメンバーで王様ゲームはムリですよ」
虎杖、詞織、伏黒、釘崎、順平の言葉に、五条は「ダイジョーブ ダイジョーブ」と言って小さな筒と番号の書かれた棒製のクジと王様用の当たりのクジを眼前に出す。