第24章 パッションの爪痕【完遂~呪術甲子園】
「アンタ、いつの間にあのゴリラと仲良くなったのよ?」
「ゴリラって……京都校の大きな先輩のこと?」
「おい、吉野。それ以外に虎杖と仲の良いゴリラなんていねぇだろうが」
「いや、ゴリラのダチとかいねぇけど。っていうか、仲良くなったっつーか……」
医務室にて、伏黒は仏頂面でピザを食べていた。
どこから出前をとってきたのか、虎杖と釘崎、順平が持ってきたものだ。
詞織も小さな口を開け、もぐもぐと食べている。
なんで、食べている姿だけでも可愛いのだろうか。ずっと見ていられる。
「記憶はあんだけど、あのときの俺は俺じゃなかったというか……」
「何、アンタ。酔ってたの?」
「釘崎は、俺があの状況で酒を飲みかねないと思ってるの?」
「釘崎さん、僕たちは未成年だからお酒は飲めないって」
成人していたとしても、戦いながら酒を飲むなんてどんな狂人だよ。
「いいじゃない。仲良くなれたおかげで、特級呪霊を追い払えたんだし」
指を舐めながら、詞織が淡々と言う。
虎杖たちが来るまで彼女の身体を抱きしめつつも手を出せなかったから、かなり欲求不満である。
だからか、余計にその仕草がエロく感じた。
虎杖は気にした素振りもなく、「それもそっか」と次のピザを手に取る。
「でもまぁ、伏黒の怪我が大したことなくてよかったな。ピザも食えてるし」
「あのとき、呪力がカラカラだったのが逆によかったみたいだ」
【反転術式】による解呪も、特段 難しいものではなかったそうだ。
呪力を吸ってもっと根が深くなっていたら、解呪は難しかったかもしれないと家入には言われた。
あと、本当ならピザじゃなくて、もっと消化にいいものを持ってきてほしかった。