第24章 パッションの爪痕【完遂~呪術甲子園】
こうして、何人か呪詛師も同行し、作戦は決行された。
嘱託式の【帳】の完成度はそれなり、特級呪物も手に入った。
組屋 鞣造の捕縛は想定内――最後まで作戦行動のとれず、今後 邪魔になるため、捨て置くことが決定している。
真人は花御に肩を貸して支えた。
『ほら、起きて、花御。帰るよ』
『《真人。殺意にブレーキをかけるのは、ストレスが溜まりますね》』
思いがけない台詞に、真人は嬉しそうに口角を上げる。
魂の形を知覚できるからこそ、真人は花御の魂を窮屈そうだと感じていた。
彼には彼の戦う理由があって、本人の性格もあるのだろうが、普段から理性的に行動している。
自分たちは理性を獲得したが、本能に逆らう理由にはならない。
『花御も【呪い】らしくなってきたね』
いつもは封じている左腕を解放し、本気で戦って、楽しいと思えたのだろう。
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