【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第12章 友達からのお願い事
レインから今回の説明を受けたミスティとセツナ。
今回の任務内容は要人警護。ただし、護衛対象はここの主ではなくその娘10歳。名をアリス。主夫妻は大きな取引の為、航海期間も含め国を1ヶ月不在にする。主夫妻の警護は海軍がする模様。その間、残していく娘のアリスが狙われる可能性がある為、警護が必要とのこと。取引内容の重要性から娘を人質にとり取引中止を企む連中が居るらしい。そんな奴らからアリスを護るのだと。
セツナはレインと仕事をするのは慣れているのだろう。気心知れているように見受けられる。
(私が足を引っ張る訳にはいかない)
ただでさえ、CP8の女性部員がクビになっている任務だ。
話を聞くにつれ、グビになった理由はアリスにあるのではとミスティは思った。護るだけならレインとセツナで十分だ。だがアリスは女の子。就寝中、入浴中、着替える際等、男では立ち会えない事が意外に多く、いざという時に手遅れになる可能性も考え腕っ節の女性部員が必要なのだろう。
『でも何で品位?護るだけなら要らないわよね?』
うーんっと考え込むミスティにレインは声を掛けた。
「ロゼはここに残れ。セツナは持ち場に戻れ。」
セツナが出ていった部屋で2人になったミスティとレイン。
「これに着替えろ。」
バサッと投げられたものは洋服。ネイビーのタイトなワンピースに同じ色のジャケット。シンプルな作りだが、ボタンの装飾やスリットの入り方等、ミスティは嫌いじゃなかった。
「早くしろ」
『え、ここで着替えるんですか?…向こう向いてて下さい//』
はぁとため息をつきレインはミスティに背を向けた。その間に慌てて着替えたミスティだったが、任務最初のミスをした。
「痛っ!!…」
急いで着替えたせいでミスティの長い髪がワンピースの背中のファスナーに引っかかっってしまったのだ。結構くい込んだのか上手くとる事が出来ない。
はぁ…と溜息と共に背後に気配を感じた。
「じっとしてろ」
レインがミスティの手を外しファスナーから髪を解いてくれるようだ。
(ドキッ…)
ミスティは背中に熱が集まるのを感じた。彼が近くに居るだけなのに背後からギュッと抱き締められているような錯覚に陥る。その錯覚がアラバスタでの事を彼女に思い出させていた。