【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第62章 スマイリー
「食った!!!」
集まったスマイリーはやがて一つの個体になりエサと呼ばれていた巨大なアメを一口で飲み込んだ。
「エサを食ったな!!!スマイリー」
シーザーは呼びかける。
「シュロロロロ…!!生まれ変わるんだ!!さァスマイリー!!」
「バオ〰️!!!」
先程まで声を発する事など無かったスマイリーが大きな声を上げながら動きを変えた。
「バオ〰️!!!」
「来るぞ!!何か始まるぞ!!!」
不吉な何かを感じ取った者達はとりあえず研究所に向かって駆け出した。
「走れ!!とにかく走れ!!」
「バァアア〰️〰️…オォォォォ〰️…」
「ごくろうスマイリー……!!また会おう」
シーザーの口角がさらに上がる。
「さァ生まれて来い…!!殺戮兵器シノクニ……!!!島の景色を一変させちまえ!!!」
ボワンッ!!
とてつもなく大きな爆音のような音をあげスマイリーは弾けた。
「!!!?」
「何だァ!!?」
「スマイリーが煙に!?いや…ガスだ!!!」
ドロドロのスマイリーより格段にスピードを上げて迫るガスに逃げる足が追いつかない。
「ちょっと!待っ…」
「おい急げ!!!」
「わァ!!ガスがもう…え!?」
分かっている。急いでいるんだ。だけど足が段々思うように動かなくなって…
「た・す・…け…」
「!!?」
煙に巻き込まれた者達は仲間へのSOSも届かずその場で土人形のような姿へ成り果てた。
「うわああああああ!!」
「逃げろー!!このガスに捕まるなー!!」
「やったぞ成功だァ!!!逃がさねェぞもう誰一人…!!シュロロロロ!!これでいいんだ!!!」
次々と固まっていく者達を見ながらその者達の結末を語る。
「毒が効いても多少動けるから避難できた…!!固めちまえばよかったんだ。灰の様に体に纏わりつくガスは皮膚から侵入し全身を一気にマヒさせる!!!」
逃げ惑う者達を高みの見物と楽しむシーザー。実験成功の喜びを爆発させる。
「シュロロロロ!!!さァもっと見せろ!!地獄絵図を!!!」
雪と氷に閉ざされた秘密裏の島は、シーザーの望み通り不気味な紫の煙に包まれた。そして、そこにはまるで生きていたかのような形をした異形の人形達が何体も転がることとなった。